パーオキサイド(無硫黄)加硫の利点

最近PO(peroxide)加硫(パーオキサイド加硫・無硫黄加硫)の要求が多いですね。

パーオキサイド加硫とはおおよそ過酸化物加硫のことですね。
架橋方法に過酸化物を使用することには変わりはありませんがその種類があるのです、ここでは割愛しております。

従来通り硫黄加硫をした場合、硫黄成分が表面に抽出される場合があり
相手物への影響が少なからずあるからでしょう。
具体的には金属に対しての腐食などが考えられています、とくに貴金属への影響などは大きいようですね。

あと無硫黄と言うけれど…
実際は大気中に微量ですが硫黄成分は含まれているので0%じゃないんですよね、なのでカタログには低硫黄や超低硫黄などと記載されています。まず黒色で無硫黄表記されているのは見当たらないですね、白色なら見ますが…

ちょっと話がそれましたが硫黄成分の影響についてです。。


どうなるかというと加硫成分として使用する硫黄が金属類と反応し、腐食し、電気系統に悪さをします、例えば電気の接点がうまく働かなくなり通電しないとか、したりしなかったりと結構まずいことになります。

硫黄成分が悪さをするのですが、ちゃんと加硫していればあとから硫黄が出てくることは基本的にありません、なぜあとで硫黄が出てきて嫌われるかって?それは配合割合において硫黄が多すぎるからです、兎に角タイト(最低限の量)な配合をすることができればあとから硫黄成分は出ません、みんな硫黄入れ過ぎなんですね5phrとかね…安いからって入れすぎ。

ちょっとズレましたがこのことが硫黄加硫ではなく、無硫黄加硫がもてはやされる理由です、良い配合ができなければ使わなきゃいいということ。
配合って難しいんです。
今回の無硫黄加硫に関しては圧倒的に加硫調整でしょうね。

そのほかにも過酸化物加硫を行うと配合(種類)にもよりますがいろいろな付加価値を付けることができます、このことが選択の理由でもあることが多い。
たとえば耐熱性の向上や圧縮永久歪の改善などがあります。

そもそも結合状態の違いがあるので特色が出ますね。

だから採用している例もたくさんあります。
わかりやすいところでは電子機器関係や照明、車関係などでも頻繁に使われています、なかでも車関係ではあっという間にCRからEPに変わりましたね。
このへんもいろいろとあるんですがCRは歴史が古く熟成された硫黄加硫が幅を利かせていてなかなか無硫黄加硫に切り替わらない部分も多いです、簡単に切り替えることができる部分はEPに代わっていますけどね。

そして現場レベルでは専らパーオキと言われますね、昔ながらです。
POの歴史もそれなりに長いのです。

PEROXIDE VULCANIZATION
PEROXIDE VULCANIZATION

そんな理由(主に電気系統への悪影響)から無硫黄加硫の要望が多いみたいですね。

なぜ?
硫黄を使う以外に何が違うのか?
硫黄加硫とパーオキサイド(ペルオキシド)加硫(架橋)の大きな違いを調べますと結合状態に大きな違いがあるようです。

硫黄加硫は、分子間に入り込んで分子同士を繋ぐ働きをします。

パーオキサイド加硫は分子を分解して分子同士を直接繋ぎます。

そのため、物性にも違いが出るわけですね。

PEROXIDE VULCANIZATION
PEROXIDE VULCANIZATION

硫黄加硫の方が耐熱性、強度が劣り、伸びが良くなる傾向にあります。
パーオキサイド(ペルオキシド)の利点としては、
1. 耐熱老化性、耐圧縮永久ひずみ性が優れる。
2. 汚染性が少ない。
3. 電気絶縁性が高い。
4. 加硫ゴムの安全衛生性が高い。
5. スコーチの危険性が少ない。
6.加硫時間が短い。
7.加硫ゴムの透明性が高い。
などがあります。

  • 無硫黄加硫をする合成ゴムで最も多いのはEPDMですね、相性がよく低硫黄や無硫黄をうたっている製品もよくあります。
    でも硫黄成分はその辺に散らばっているので無硫黄って言ってもちょっとくらいは入ってたりします、意図的ではないですけどね。
    なので無硫黄とは言わず、低硫黄や超低硫黄なんて言い回しをしたりします。
    要するにそんなに気にするなってことです。
  • 次にあるのはBR系です。
    BRやSBRなどが無硫黄加硫に適しています。
    そんなに見かけないですけどね。
    でも最も適しているのがSBRなんですよね、効率がいいんです。
  • レアなところでHNBRがあります。
    あまり聞きなれないゴムですがあります、もっと見かけませんがアクリルゴムでもあるようです(おそらく低硫黄のことだと思いますが)天然、CR、普通のNBR等でも過酸化物架橋が可能です、ブチル以外はOKですね。
  • 当たり前ですがシリコンやフッ素もあります。
    これらはもともと過酸化物加硫を行うことが多い材質です。。

どんな方法で架橋するのか?
ジクミルペルオキシド→「ジクミルパーオキサイド(DCP=DICUMYL PEROXIDE)CAS番号:80-43-3、化学式:C18H22O2; [C6H5C(CH3)2O]2、別名Bis(α,α-dimethyl benzyl)peroxide; Cumeme peroxide; Cumyl peroxide
ビス(α,α-ジメチルベンジル)パーオキサイド; クメンパーオキサイド; ク
ミルパーオキサイド; 過酸化ジクミル」がよく使われているようです、これは有機過酸化物に該当するもので重合触媒。ポリマー,ゴムの架橋剤。ポリマーの難燃助剤。有機合成の中間体、ゴム系だけでなく樹脂系にも積極的に使われています。

加硫調整の難しさ。
これは昔から言われていることであまりPO加硫が普及しない理由の一つでもあり得ると思っています、簡単に言うとPOの分解速度が温度のみに依存していることから、POの選択肢も温度からといったことになるかであろうと思っています。
さらに難しいのはスポンジの場合で今までの発泡剤ではうまくいかないことが多く、発泡剤の変更とPOの変更をすると助剤系の変更もついてくるので結局いちから配合をし直すくらいのレベルになっちゃうんですよね。これがかなりの負担で右から左へ行かないのがこの業界でみんな悩むわけですね。

基本架橋剤は粉末が多いので混練に時間がかかったりしますが、一部架橋剤入りのマスターバッチなるものがあるのでこれを入れればあっという間に仕上がりますね。
さらにこちらの方が安定して薬品の分散が行われる傾向にあるので基本性能もちょっとだけ上がります。

マニアックな架橋方法として放射線を使う方法もあります、危なっかしいし高いから見たことないけど、とても良いものが出来上がるそうです。

じゃああとで硫黄を除去できないか?
脱硫ってあるじゃん?
ということが頭に浮かびますが硫黄を加硫剤として加熱して使っている(ゴム分子鎖間を結んでいる)から硫黄は除去できないですよ。
出来た時は分子鎖間がバラバラになる(切断される)のでいわゆるゴムじゃなくなっています、、これは再生ゴムを作るときの工程であって硫黄を取り除くということではありません。
まあそんなめんどくさいことをするのであれば最初から硫黄加硫以外の方法を選べばいいだけなのです。

追記!!!!

無硫黄加硫という言葉の響きに違和感。

なぜかというと硫黄使うことを加硫というのにも関わらず硫黄使わないものまでをも加硫なんて言うからおかしくなってしまうんですね、そこで普通は架橋と言い換えていますというか架橋反応のひとつが加硫なのであながち間違ってはいないんだけど現場で加硫加硫って言われるとすごく違和感があるんですね。心の中で架橋架橋と言い聞かせています。

そんな加硫いや架橋戦争はまだまだ続きそうです、最近の教科書!?では架橋と書かれているとか。。。それはそれでちょっと違うような気もしますが世の中の流れはそういうことです。

それに伴いカテゴリーも「加硫」から「加硫・架橋」としています。

EPDMに関しては前回少し記事にしております。良かったらこちらもどうぞ。

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