シリコンスポンジとは…
広義ではシリコンを原料として架橋剤や発泡剤などの添加剤を混練し、直圧や押出などの成型方法を用い、加熱による発泡剤の熱分解によりガスを発生させることにより、シリコンを多孔性の構造にしたもの。
狭義では独立気泡と連続気泡の2種類に分かれ、さらに発泡方法にも種類があります、これは後述。
シリコンスポンジを説明するにはまずシリコンを説明しなければなりません。
シリコンは元素記号Siで表されるケイ素(原子番号14)のことです。ケイ素と酸素とが化学結合(Si-O)で交互に連なって出来たポリマーの総称を意味しています。
ケイ素だけのシンプルなもの→モノマーといいます…はシリコンウエハーと呼ばれ半導体の基板で使われています、これはシリコンといえども全く違うものです、似て非なるものというか、たまに間違われることもあります。
シリコンが日本で研究され始めたのは戦前といわれています、戦中には撃墜されたB29の残骸からシリコンが見つかったといわれています、日本はそのころ防弾タンクもままなららない状態だったので技術や物資の差がわかりますね。でもその頃からシリコンがあったなんて驚きでもありますし、まだ100年もたってないんだということにも驚きですね。
シリコンスポンジの作り方…
ミラブル型シリコンを原料として架橋剤や顔料、発泡剤などの添加剤を混練します、一般的には架橋剤として有機過酸化物、発泡剤は有機発泡剤を用います。
そしてこの原料を直圧成型や押出成型します。成型と同時に発泡剤が反応することでガスが発生し、その効果で多孔性のシリコンスポンジが出来上がります。
ここでのポイントは発泡剤の分解反応と架橋剤の効果反応とのバランスですね。
混錬?
下の動画のような感じです。
弊社ではミキシングロールを使用しています。
オープンロールとも言いますね。
出来ればニーダー等を使用したいところですが混錬だけなら、
現状最適解かもしれませんがその後のシート形状での材料出し
つまり分出し等では有利に働かないことが多いです。
技術的に困難であるのは架橋と発泡を同時に行わなければならないこと、添加剤の質や量、混練のレベルに出来上がりが左右されます、そしてもっとも重要なのは温度。
形状による成型方法の選定について。
紐形状(丸紐や角紐等の長尺)だと押出を選定することが多いです。
サイズに縛りがあります、大体50*50くらいまでが多いです。
これは押出機の吐出量及びその口径によりますね。
異形やOリングは直圧成型が多いです。
コチラのサイズは150*500*500までが多いです。
あとシート状のものについては20*1000*1000くらいまでが多いです。
30*500*500や3*1000*3000といったサイズもあります。
架橋温度について
シリコンスポンジはシリコンと同じくそれぞれの材料にあった架橋温度(100-180℃)で成型後、二次架橋が必要です。(硫黄を使わない架橋を行うにあたって加硫というのは些かおかしいので架橋としています) 主に強制排気のオーブンを使います、温度や時間などは製品の要求事項によって変化します。
200℃×4hが多いかな。
詳細は別記事を読んでください。
↓↓↓
シリコンゴムの2次加硫とは?いる?いらない?
耐熱性、圧縮永久歪率等の安定と低分子量シロキサンの除去の為に、想定使用温度より高い温度で二次架橋を行います。とくにシロキサンについては電気接点に付着し障害を及ぼしますので徹底的に除去します。
そうして出来上がったシリコンスポンジの特徴は…
全ての面をを被膜(スキン層)に被われ、非常にソフトな感触と軽量感があります。
比重は約0.5です、ソリッドのシリコンゴムで作った場合は比重が約1なので半分の重さということになります。押し出し品はもう少し軽いつまり比重が軽くなることが多いです、0.3くらいです。
そして弊社のシリコンスポンジは全て食品衛生法に適合します。
あと各種環境負荷物質の書類対応等もいたします。
主な用途…
表面皮膜強度が必要とされるパッキンや軽量化を求められるパーツに向いています。
- 断熱性に優れています-60~+200℃まで使用可能です。
- 独立(単独)気泡です。
- 反発弾性に優れています。
- 発泡倍率:約2倍
- 圧縮永久歪はほぼありません。
- ゴム成型品と比べると重量は約半分
- 合成ゴムよりかはカラフル
ゴムスポンジ製品の中でもシリコンスポンジを採用することは稀です。
そのほとんどは普通(合成)ゴムスポで事足ります、もっと言うなれば樹脂系のスポンジで十分事足ります、でもゴムスポでなければならない用途、例えばある程度高温になるとか、圧縮永久歪が良いのが欲しいとか、半独半連が欲しいとかいろいろと重なって重なってゴムスポにたどり着いてその中でさらにシリコンを選ぶということになりますのでめちゃくちゃ稀です。
実際の選定条件等はその製品の設計の方に委ねられていると考えていますが、
おおよそ耐熱温度での採用が多いです、あとは耐久性や色があげられます。
熱伝導率についても少しだけ。
0.1~0.05W/m くらいでしょうか、しっかりと計測するのが難しいので何とも言えないですが、シリコンゴムが約0.16W/m なのでゴムより良くなっています、これは気泡のおかげでですね。ちなみに水は0.561-0.673です。
着色面でシリコンスポンジを選ぶ?
カラフルな合成ゴムはない?
なぜかというとシリコンを除くゴムスポはほとんど黒色です、たまにグレーや白色、その他の色もありますが極稀です。なぜかというと黒くしておかないと強度が出ないからです、そのほかにも薬品の関係や充填剤の関係もありますが…
充填剤に関してはコチラ
充填剤とは?性能向上のため?それともかさましのため?
カラフルなものがいるのであればシリコンを選ぶべきだと思います。
基本性能が良いのでおすすめです。
パッキン等でシリコンスポンジを選択することは稀です。
世の中にあまり知れ渡っていないということもありますが、
他のゴムスポンジに比べると高価ですし、
大量生産に向いていないことも大きな理由かもしれません、これについては発泡製品全体に言えることなのですが発泡させる以上どうしてもソリッド品と比べると時間がかかるのです。その時間が思ってるよりも長く量産を阻んてくる主な要因なのですね。
ただ性能はとても良く採用されたお客様からは喜んでいただいておりますし、もっと広まればいいのになんて思ってたりしますがなかなかね。
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五十嵐商会の今野と申します。
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宜しくお願い致します。